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![]() WSC #007 戸田 聡 Satoshi TODA [夢のカグツチノ公国] 作品世界の空気を切り取って魅せる 作品世界の“空気”を切り取り、それを立体で表現する――これは、別にディオラマ(情景模型)のことだけを指す言葉ではない。そもそもガレージキットという表現形態自体、そうした「作品世界の根底の部分を深く濃く認識したうえで、それを汲み取り造形に反映させる」ことをアドバンテージとして発展してきたジャンルだ。要は、「浅草橋あたりの木型屋のオヤジが設定画を見ただけで造形したものなんかじゃ、オタクとしては満足できないんだ!」というヤツである。 |
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text by Masahiko ASANO |
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とださとし●1971年3月24日生まれ。幼少期から“ねんど遊び”を趣味とし、油ねんどで怪獣やロボットを作っては壊し、作っては壊し……という日々を送る。小学生時代にガンプラブームの洗礼を受けるも、ハマり具合は「平均的」。その後オタク系からは疎遠になっていたが、就職して自分の時間が作れるようになった24~25歳時にオタク道へと出戻り。ワンフェスへのディーラー参加は'99年冬からで、ホシノ・ルリ、ペイオース、ファンシーララの3作品を一気に出展する。「作る」という行為自体は好きで、技術面での上昇指向もあるものの、製作への動機やモチベーションは周囲からの要求に主体があり(要は、「このキャラかわいいなぁ」「コレを作ってほしいなぁ」という他者の意見がそのまま造形対象となる)、「世界観や空気感、空間を表現したいというのは事実だが、自分がほんとうに作りたいものや、こだわりのある部分がまだ完全に見え切っていない」と語る。 |
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Webサイト ■ http://kagutsuchino.cside.com/ |
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WSC#007プレゼンテーション作品解説 |
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コルネット・エスポワール ※from 『マール王国の人形姫』 ![]() ■ 商品販売価格 (※販売は終了しています) ![]() 作品世界の空気を切り取ることに主眼を置いた、ヴィネット(コンパクトディオラマ)風の構成が俄然目を引く戸田 聡のプレゼンテーション作品“コルネット・エスポワール”は、プレイステーション用ゲームソフト『マール王国の人形姫』からの立体化。自身の前立腺事情(苦笑)に従順な“キャラ萌え造形主義”が全盛の昨今、こうした「全体の空気で魅せる」作品がどのような評価を得るか、WSCとしても非常に楽しみです。また、「空気で魅せる」とは言いつつも、ルーペで眺めても破綻をきたさない緻密でこまやかな作り込みも、要必見なポイントと言えるでしょう。 |
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戸田 聡からのWSC選出時におけるコメント |
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ワンフェス会場内をフラフラと観てまわり、自分のブースに戻ったときに友人から「スゴイ人が名刺を置いていった」と言われ、「俺をだまそうとしているな」と思いながら受け取った『ワンダーショウケース』の名刺はホンモノに見えました。一瞬「おおっ、スゲー!」と思いつつも、その直後には「……俺の作品のどこがよかったんだ?」という感情にすり替わったのを記憶しています。 |
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