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![]() WSC #051 楠 正成 [ANTARES] 「自分自身への客観的ダメ出し」でひと皮剥けた 「(本当の意味で)絵が描ける」ということが造形家にとってどれほどのアドバンテージに直結するか、その旨はWSCのプレゼンテーションを通じて繰り返し説き続けてきた。楠もまたそうした「絵が描ける」造形家のひとりであり、比較的最近まで本気でプロの漫画家を目指していたという人物でもある。 |
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text by Masahiko ASANO |
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くすのきまさしげ●1967年10月26日生まれ。幼少期から模型製作に親しみつつ、小学5年生から漫画を描きはじめ、高校へ進学するころには真剣に漫画家を目指しSF系の作品を雑誌へ投稿しはじめる(受賞経験もあり)。高校卒業後に上京し、社会人になってからはそうした趣味と疎遠になっていたが、27歳のとき会社を辞め再び漫画家を目指しはじめたときにオタク性が再燃、ガレージキットの美少女フィギュア製作にハマることに。'05年から秋葉原のレンタルショーケースを使った美少女フィギュアのモデルフィニッシャーとして生計を立てていたところ、店側から「ショップオリジナルのフィギュアを作ろう」と持ちかけられ製作に入るも、同ショップが潰れてしまい計画が頓挫。その後、'09年に思い立ってワンフェス参加を決意し、5年越しでようやく完成させた同作品(つまりはフィギュア造形処女作)を持ち込み、'10年[冬]に“ANTARES”名義で初ディーラー参加を果たす。「ワンフェス参加はもろもろ面倒なのでもういいか……」と考えていたそうだが、WSC選出を契機に「次回作も考慮中」とのことである。 |
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Webサイト ■ http://anta-res.sakura.ne.jp/ |
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WSC#051プレゼンテーション作品解説 |
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デュオアラ ※WSCアーティスト自身による創作(オリジナル)キャラクター ![]() ■ 商品販売価格 ![]() そもそもはプロの漫画家を目指しつつ、その傍ら、レンタルショーケースを利用した美少女フィギュア系ガレージキットのモデルフィニッシャー(製作代行業)として模型製作のセンスと技術を向上させていたという楠。プレゼンテーション作品となった創作キャラクターの『デュオアラ』は、事実上のフィギュア造形処女作(!)であると同時に、「絵描き(キャラクターデザイナー)としての楠×新進造形家としての楠」のひとりコラボレーション作品でもあります。もちろん、「つるぺた系ロリキャラ」としての破壊力も強大で、一見しただけでは「棒っぽい」ように感ずる腕や胴には、じつは「その手のファンにはたまらない微妙なニュアンス」が多大に盛り込まれています。アニメーションの作画のように動きのある巨大なツインテール(ふたつ結びの髪の毛)も、その「動きのタイミングの取り方」が絶妙。また、あらかじめ立体化を見越したキャラクターデザインと、それを過不足なく適切に立体化した造形力のバランスのよさにもぜひとも注目してほしい作品です。 |
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楠 正成からのコメント |
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デュオアラの製作に取りかかったのは、いまから約5年前のことです。自分でゼロからガレージキットを作ることがどれだけ大変なことかは知っていたので、それまでは挑戦しようという気持ちはありませんでした。そんな私がこれを作りはじめた理由はアーティスト解説内で綴られていますが、しかしまあ、その企画をネタ振りしてきたショップ(いまはもう閉店しています)がじつはとんでもない店でして……ま、そこは置いておくとして。 |
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