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WSC #005 蓮見江蘭
Elan HASUMI
[J.P.S. TEAM LO-TATSU]
その気になりさえすればトップが狙える
「最新型」の美少女フィギュア アーティスト
単刀直入に言えば、WSCはじまって以来の“即戦力”である。
「未完の大器」や「ダイヤモンドの原石」といった類いではなく、プロ野球を例にとるなら、「ノンプロからドラフト1位入団~開幕戦から3番スタメン」的ポジション。コアな話で言うと、服のシワにおける質感表現の類いや、髪の毛などの尖鋭的かつ繊細な処理、オタクの甲状腺を突くセクシャルな記号の盛り込み方など、ここ3~4年における“美少女フィギュアの流行”そのすべてを最高得点に近い値でクリアしている逸材だ(あとから知ったのだが、じつは蓮見は「18禁美少女マンガ同人誌界では名の知れた描き手」でもあったりする。なるほど、と言うほかないだろう)。さらに言うならば、“美少女フィギュア原型師”という狭義の枠組み内で考えた場合、「現時点ですでにトップ10圏内に食い込んでいる存在」と言ってよいはずだ。
ただし、蓮見の作品に魅せられたガレージキット業界関係者の方々は、できることならば「ま、とりあえず何か作らせてみようか」程度の感覚で彼の資質を消費しないでほしい、というのがレーベルプロデューサーとしてのいつわらざる親心(?)でもある。とにもかくにも、彼にはすでに「時間がない」のだ。
蓮見のように「魂を削るように造形していく」寡作タイプの作家は、“任意引退”までのあいだに両手で数えられるほどの作品しか残さないのが常だ。2Dはともかく、3D方面に関しては蓮見もまちがいなくその手のアーティストであり、言わば、「雑魚(ざこ)キャラを相手にしているヒマはもうない」のである。
カウントダウンはもうはじまっている。「どうしても蓮見江蘭と組みたい!」という、そういった熱意あるガレージキット業界関係者が複数挙手し、また、それに見合う造形対象(ま、“アキバ人気断トツ1位”的な18禁ギャルゲーキャラがいいとは思うんだけど……)が彼に与えられるよう、心の底から祈りたいと思う。
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text by Masahiko ASANO |
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はすみえらん●1969年12月27日生まれ。コミケにはギャルゲー系18禁エロパロサークル“漆黒のJ.P.S.”として参加しており、そっち系に詳しい人からすれば「……え、あの画描きの蓮見江蘭と同一人物なの!?」状態のはず(ちなみに、同人誌収集家としても知られる海洋堂のボーメも蓮見の個人誌を所有していた)。同人誌活動をはじめたのは'93年からで、同時期、『美少女戦士セーラームーン』ブームの影響からユーザーとしてイベント限定ガレージキットにも手を出しはじめる。フィギュア造形には'95年から着手、ワンフェスにはディーラー名“J.P.S. TEAM LO-TATSU”で参加。これまでに仕事としてコトブキヤ製品のフィギュア原型を二度手掛けたキャリアも持つ(1/6 シャリオン、1/6 ホシノルリ)。現在某ゲームのキャラクターデザイン作業が進行中で、'00年にはキャラクターデザイナーとしてブレイクの予感大。造形に費やせる時間が増々減ってしまいそうな今日このごろである。
(※現在はディーラー活動を休止しています)
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WSC#005プレゼンテーション作品解説 |
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© 1998 カクテル ソフト/エフアンドジー(株)

伊藤乃絵美
※from 『With You~みつめていたい~』
1/7(全高240mm)レジンキャストキット
■ 商品販売価格
ワンフェス会場特別価格/8,000円(税込)
ワンフェス以降の一般小売価格/9,000円(税別)
(※販売は終了しています)
PCゲームソフト『With You~みつめていたい~』に登場する“秋葉原人気断トツ1位”的キャラクター、伊藤乃絵美。こうしたキャラクターを尖鋭的かつ繊細な造形で表現できる「濃さ」が、蓮見江蘭、最大の武器です。今回プレゼンテーション商品となるのは、ワンフェスをはじめとする'99年夏のガレージキットイベントにおいて“J.P.S TEAM LO-TATSU”名義でごく少数販売された幻の名作。パーツ状態でしか伝わらないディテール表現も見どころで、おそらくはこのアイテムを通じ、美少女フィギュア造形における流行と、そうしたポイントをことごとく押さえた「美少女フィギュアの最先端」を実感していただけると思います。
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蓮見江蘭からのWSC選出時におけるコメント |
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どうもこんにちは、蓮見江蘭といいます。初めての方も、そうでない方もどうぞよろしく。
え~と、今回は『ワンダーショウケース』に選んでいただきありがとうございます。最初に声をかけてもらったときは、正直、「なんでオレが選ばれたんだろう……」と思ったものです(いまでもそう思ってるんですが)。フィギュアを作りはじめたのは5年ぐらい前からですが、いままでに作った数なんてまだほんのわずか(10体も作ってない)でして……理由? 作るのが遅いから(笑)。まぁ……そればかりが理由じゃないけど、ほかにもいろいろと手を出してるもので。
フィギュア……やっぱり難しいですね。いまだに満足できるものを作れてないし……自分の想うイメージのものが作れてないですが、ひとつひとつクリアして、よいものを作っていければと考えてます。やってみたいこともあるし。そう簡単にはいかないけど……、ふう。
これからの活動ですが、しばらくは版権物メインですが、少しずつですがオリジナルもやってみたいかなと思ってます。とりあえず次回('00年夏)のワンフェスでは、某キャラ(版権が取れたら)と某作家さんのオリジナルキャラを予定してます。
それでは、またどこかでお会いできれば……。
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