▲この写真だとちょっと分かりづらいですが、『ワンダちゃんNEXT DOORプロジェクト』の終了に伴いWFオフィシャルグッズショップの施工デザインが一新されたため、今回のWSCブースはWFオフィシャルグッズショップと隣り合わせの構造となりました ■というわけで、すでに恒例となっております「今期WSCプレゼンテーションのアフターリポート」を以下に綴らせていただきます。 ■……もっとも、「どのアーティストのプレゼンテーション作品が何個販売され何個売れたか」という話についてはすでに触れないことに決めたので、「アフターリポート」と謳いつつも、どちらかと言うと「今回選出されたWSCアーティスト&そのプレゼンテーション作品の補足説明テキスト」みたいな感じになっちゃってるんですけどね、すでに。 ■それではまず、WSC#102 RICOと、彼のプレゼンテーション作品『NTW-20 貴族体験館』から行ってみましょう。 ▲昨夏ワンフェスにて原型展示のみされていたNTW-20 貴族体験館。正直な話、このサーフェイサー吹きのグレー1色状態のほうが、原型の出来のすごさがストレートに伝わるのがなんとも皮肉ですなあ……。そして右は、同プレゼンテーション作品をレジンキャストキット化するにあたり、一部のパーツを手直ししつつパーツ分割した、立体出力直前状態のレンダリング画像(サイドテーブルパーツは割愛)。ダネルNTW-20の異常な精密感に目を奪われがちですが、フィギュア本体の肩のフリル、袖のシワ、エプロンの立体裁断表現にぜひ注目してください。塗装見本ではこの部分にシャドウ吹きがなされていなかったため立体感がやや乏しく見えますが、じつはここまでエッジの利いたモールドで造形されているのです ■続いて、WSC#103 荒木秀造と、彼のプレゼンテーション作品『ゲッコー戦士レオパルド』について。荒木に関してはワンフェス会場で「プライズなどの原型製作を生業としている」という話を聞いていたので、ある意味「一応プロ原型師ならば、まあ、これぐらいは作れて当然かな」とも思ったのですが、このゲッコー戦士レオパルド、とにかく見れば見るほど味わい深い。とにかく楽しみながら造形したことが感じ取れるだけでなく、彼の造形的資質がいたるところからじわじわと滲み出ている、と。結果、「コレをWSCプレゼンテーション作品にしても“自分には何がなんだかよく分からない作品”とか言われてしまうんだろうな……」と皆さんから思われることを覚悟しつつも、彼をWSCアーティストとして選出することには1%の迷いもありませんでした。 ▲本文中に記した、荒木が東京藝大在学時にチェーンソーで製作した木彫作品。左は学部の卒業制作作品『見栄を切る』(「見栄」と「見得」をミックスさせた造語による、全長約4mにも及ぶカマキリ)。「迫り来るクルマにすら威嚇ポーズを切り出し轢かれて死んでしまう彼らの脳内スケールはこんな感じなのかなと、子供のころから考えていたことを表現しました」とのこと。そして右側2点は、大学院の卒業制作作品『夕暮れ』(全高3.5m。ちなみに夕暮れというタイトルは、制作中ずっと頭の中を流れていたTHE BLUE HEARTSの曲名からそのまま取って付けたそう)。「蝉と冬虫夏草の神秘的な魅力に惹かれて制作しました。入れ替わり別の生命を得ても目的はいっしょ。ただただ地上を目指す姿はなんとも美しいものだと」とは荒木からのコメントです ■そして、WSC#104 Kと、彼のプレゼンテーション作品『Android EL01(愛称=エル)』について、です。 ▲こちらがKのプレゼンテーション作品“エル”に付属しているA4判型フライヤーの表面&裏面画像。表面はZBrushによる新たなエルの全身レンダリング画像をkeyshotにて写実的に描写したもので、裏面はエルのメカニカルな肉体美を強調した胴体前後のレンダリング画像にて構成されています。ちなみにエルっててっきり有◯架純ちゃんがモデルだと思っていたんですけど、Kにその旨を告げると「……え? 似てます!? そこはとくに意識していなかったんだけどなあ」とのこと。確かにこのレンダリング画像を見ている限りでは、あんまり有村◯純ちゃんっぽくないですね ▲左は、昨夏ワンフェスでの、Kの個人ブース『96』におけるプレゼンテーション風景。この景色を見た瞬間に、「……あああ、ついに“モノホン”の人がこっちの世界へ攻めて来ちゃった!」と鳥肌が立ったわけです。ちなみにこのパネル出力画像を見ている限り、やはりモデルは◯村架純ちゃんに見えるでしょう? ……え? 見えない!? そうかなあ……。そして右は、今冬のワンフェスにおける『96』ブースの光景。Kからはあらかじめ「このAndroidシリーズは三幅対のイメージで、あと2体作成し3体揃っての完成を予定している」と予告されていたわけですが、今回早くもその2体目となる“IV-02 PROTOTYPE(イヴ02 プロトタイプ)”が発表されたことになります ■さて。いますでに第39期WSCアーティストの選考作業がスタートしているのですが、今年は『東京2020オリンピック・パラリンピック』の開催により、本来は夏に開催されるワンフェスが秋の開催となるため、第39期WSCのプレゼンテーションは今秋行われることになります。 |